すがすがしい香りのローズマリーは、よく料理に使われるハーブのひとつです。
ローズマリーの薬効は古くから知られてたようで、古代エジプト人は、ミイラの腐敗を防ぐためにローズマリーを使用していました。
古代ギリシャの学者たちは、記憶力を高めるために、ローズマリーの花冠を頭につけて試験にのぞんだという記録が残っています。
また、古代ローマには、「薬物誌」をまとめた、薬草学の父といわれる医師ディオスコリデスや医師ガレノスがローズマリーについて記しています。
ローズマリーは、幸せ、忠誠、愛のシンボルといわれ、結婚式に花嫁がつける習慣があります。
シェイクスピアの詩に登場したり、フランス皇帝ナポレオンがオーデコロンとして愛用したり、ローズマリーに関する逸話は数多く残っています。
ローズマリーは医療にも使われ、その治療法を記した12世紀ごろからの文献が数多く存在しています。
ローズマリーの特徴
ローズマリーは地中海沿岸が原産で、石灰質の乾燥した土地で育ちます。
現在では、南ヨーロッパやモロッコで多くみらますが、世界中で栽培されています。
ローズマリーは1.5mほどの高さの常緑植物で、シルバーグレーの茎に濃い緑の披針形の葉をつけます。花の色はパステルブルーから紫までさまざまで、短い房になって咲きます。
学名:Rosmarinus officinalis L.
科名:シソ科
使用部位:全草
開花時期:5月~9月
収穫時期:1年中
有効成分
ロスマリン酸
ウルソール酸
カルノシン酸
フラボノイド
フェノール
ビタミンA
ビタミンC
ローズマリーの肌と髪への美容効果
爽やかな香りも好まれ、スキンケアをはじめ、歯磨き粉、髭剃り用ムース、入浴剤など、ボディケア製品など幅広く用いられています。
ローズマリーは昔から「若返りのハーブ」といわれ、肌や髪のケアに使用されてきました。その理由は、強力な抗酸化作用を有しているからです。
ローズマリーに含まれるさまざまな有効成分のうち、抗酸化作用の重要なカギとなっているのが、ポリフェノール類のロスマリン酸とカルノシン酸、テルペン類(植物の精油に含まれる成分)のウルソール酸といわれています。
ロスマリン酸は、抗酸化作用をはじめ、抗菌作用、抗ウィルス作用、抗炎症作用を有し、血液循環を促進し、皮膚の新陳代謝を高める働きも持っています。
カルノシン酸も高い抗酸化作用を示し、紫外線から皮膚細胞を保護します。抗菌作用でも知られています。
ウルソール酸も同じく抗酸化作用に優れ、加齢や紫外線などで壊れたコラーゲンの状態を改善する働きがあります。抗炎症作用も有しています。
これらの抗酸化作用の成分のおかげで、ローズマリーは加齢肌を改善し、しわを軽減させ、老化を遅らせる効果が期待できます。
また、抗菌作用や抗炎症作用により、オイリー肌やオイリーヘアをすっきりさせ、ニキビや吹き出物、傷を軽減するのに役立ちます。
ローズマリーの入浴剤を使うと、血行が促進され、リラックスできます。
さらに、ローズマリーは、デトックス作用があり、むくみ解消やセルライト除去の助けにもなります。
ヘアケアにおいても、頭皮を刺激して髪の成長を助け、育毛を促進します。
血行を良くすることで、毛根に栄養がいきわたり、つややかに輝く髪になるといわれています。
また、抗菌作用のおかげで、髪と頭皮を清潔にし、抗炎症作用で頭皮のかゆみや乾燥を防ぐことができます。フケも軽減されます。
ローズマリーの肌と髪への使い方
ローズマリーは、生かドライハーブ、精油という形で使うことができます。
ローズマリーの生かドライハーブは、ハーブティーとして飲んだり、熱湯で煎じたインフュージョンや、オイルに漬けたインフューズドオイルを肌や髪につけたりして、使うことができます。
スキンケア
ローズマリーは次のような肌への効果が期待できます。
若々しい肌を保ちます
しわを軽減します
オイリー肌を改善します
ローズマリーの毛穴引き締めローション
ローズマリーとレモンのトニックローション
打撲や青あざを和らげます
血行を促進します
ヘアケア
ローズマリーは次のような髪と頭皮への効果が期待できます。
ドライヘアを改善します
ローズマリーとオリーブオイルのインフューズドオイル
卵黄とローズマリーとはちみつのヘアパック
アルガンオイルとローズマリーとカモミールのシャンプー
育毛を促進します
ローズマリーとアルガンオイルのインフューズドオイル
ローズマリーとネトルのシャンプー
オイリーな頭皮のフケを予防します
ローズマリーの効能
ローズマリーは、脳の働きも活性化し、記憶力や集中力アップし、片頭痛を癒す働きがあります。
強壮・刺激作用があり、心身の疲労を回復するのに役立ちます。
また、消化機能を正常化することで、食欲不振、胃もたれ、お腹の張り、大腸炎、下痢といった症状を緩和します。胆汁分泌を促進し、肝臓を保護する働きもあり、肝臓障害に有効です。
抗菌作用と抗ウイルス作用でも知られ、風邪の引きはじめや花粉症にも適しています。
ローズマリーは、更年期の症状を軽減するハーブです。