モロッコの伝統的メイクは、黒と赤の二色で魅惑的な目元と口元に仕上げるのがポイント。
ヘナ(ヘンナ)やサフランで入れ墨をするよう に、アラブでは伝統的に、朱色は幸せをもたらすといわれ、赤い色に愛着があるそうです。
中世のアラブ文学では、女性の唇を崇め、ルビー、サンゴ礁、紅玉髄といった宝石と同ランクの価値で表現されています。
モロッコやアルジェリアのベルベル民族も、唇が顔のなかで最もセクシーな部分と考えています。
モロッコの女性たちは、「アケール」という植物由来の天然メイクアイテムを使って、頬や唇を赤く染めます。
アケールの赤色は、ピンク系から真っ赤までいろいろ。
粘土製や木製、もしくはガラス製の容器で市販されています。
写真は、モロッコのスーク(市場)のスパイス屋で買ったアケールです。
実はまだ一度も使っていません。
いまのところ、旅の思い出として、ながめるだけにしています……。
この植物性メイクアイテムは、肌によくなじみ、唇に栄養を与える役割もあります。
指先を少量の水か唾液で湿らせ、容器の赤い粉の表面を軽くこすり、軽いタッチで、唇にぬります。
アケールにはちみつを少し加えると、保湿効果がアップします。
原料の植物は地域によって異なり、紅花、ザクロの樹皮、ヒナゲシ、野バラ、アルカンナが用いられます。
紅花
紅花の花は、古代エジプトで染色剤や抗真菌薬として知られ、ミイラの包帯を染めるのに使っていました。
柔軟および保湿効果があり、愛らしいチェリー色に色づきます。
ザクロ
赤いフルーツのザクロは、さまざまな種類のビタミンを含み、特にビタミンCが豊富で、抗酸化作用と引き締め効果があります。
ヒナゲシ
地中海の東部が起源のひなげしは、古代エジプトの古墳からも見つかっています。
繊細で鮮やかな赤色の花びらは、唇をソフトにする作用を持つ理想的な粘膜を持っています。
アルカンナ
地中海に生息するアルカンナの根は、赤いメイクアイテムとして、昔から使われていました。
植物油に混ぜるだけで、簡単に深紅色の口紅やチークになります。
アルカンナは、「フェズの紅」とも呼ばれています。
アケールのフェイスパック
日焼けしたように輝く顔色を作る、アケールのパックです。
月1回行うといいそうですよ。
このレシピの材料
アケール … 小さじ1
ガスール … 小さじ2
はちみつ … 小さじ1
アルガンオイル … 小さじ1
卵黄 … 1個
ローズウォーター … 数滴
オレンジフラワーウォーター … 数滴
作り方
- ガスール、はちみつ、アルガンオイル、卵黄を混ぜて、クリーム状にします。
- ここにアケール、ローズウォータとオレンジフラワーウォーターも数滴を加えます。
使い方
洗顔後の顔と首につけ、15分パックします。
ぬるま湯ですすぎます。