赤い果皮に包まれたザクロの無数の透明な実は、甘酸っぱく、ビタミンCやカリウムといったミネラルが豊富です。
ザクロは、アラブの世界で“女性らしさ”の象徴といわれています。
北アフリカの先住民ベルベルの間では、ザクロは幸福をもたらすと珍重されているそうです。
ザクロの薬効は、古代エジプトや古代ギリシャの医学書に記され、中国やインドでも昔から知られていました。
千一夜物語でも、ザクロの花やザクロのお菓子などが登場します。
ザクロの特徴
イランが原産といわれ、アジアからシリアを経てエジプトに伝わり、さらにギリシャやローマに広がったといわれています。日当りのいい場所で育ちます。
ザクロは高さが7メートルほどになる落葉性植物です。
葉はなめらかで光沢がある楕円形で、初夏に鮮やかな赤色の花をつけます。花弁が発達して果実となります。
硬い外皮のなかに赤く透明な果肉の粒があり、その果肉の中心に種子が存在します。
学名:Punica granatum
科名:ミソハギ科
使用部位:樹皮、根、果皮、果実、種子
開花時期:6月~7月
収穫時期:果実は9月~10月
有効成分:
ビタミンC・B2・ナイアシン
カリウム
アントシアニン
ザクロの肌と髪への美容効果
ザクロの果汁に含まれるポリフェノールは抗酸化作用があり、皮膚の老化を遅くし、若々しさを保つ働きがあるといわれています。
また、ザクロの赤い果皮は、粘膜を温め、ふっくりさせる作用があり、唇を保護することで知られています。
唇に鮮やかな赤みを添えるための口紅としてもよく用いられています。
ザクロの肌と髪への使い方
スキンケア
ふっくらした唇を作ります。
ヘルスケア
歯茎と口のなかを健やかにします。
ザクロの効能
ミネラルとビタミンを含むザクロは、胃や心臓の病気に効果があるといわれています。
クエン酸が多く、消化を促進し、疲労を回復させる効果も期待されます。
喉の渇きをいやすのにも適しています。
ザクロの樹皮を煎じたお茶は、下痢止めや虫下しとして用いられ、根は駆虫剤になります。
さらに、ザクロの種子には植物性エストロゲンが含まれ、更年期障害の症状を緩和すると期待されています。