甘くスパイシーな香りのクローブは、香辛料として料理の風味づけによく使用されます。中東料理でも欠かせないスパイスのひとつです。
クローブは開花前の花つぼみを乾燥させたもので、つぼみが釘の形に似ていることから、フランス語で釘を意味する「clou」からクローブの名がつき、中国では「丁子」といわれるようになったといいます。
モロッコでは、コーヒーにクローブを入れるそうです。
クローブはモロッコでおなじみのスパイスで、「クローブは麻酔薬として使われるの。歯の痛み止めにもなるのよ」と言う人も。
独特の香りをもつクローブは、香水やお香などに利用されます。
おまもりのスパイスでもあるようで、素敵な恋にめぐりあいたい女性は貝かクローブの首飾りを身につけると願いがかなうそうです。
また、アルジェリア南部では、ムスクとクローブに、パチョリやバラを練りあわせ、固形香水を作り、ネックレスやイヤリングなどのアクセサリーにして、つねに身に着ける習慣があるといいます。
クローブのエキゾチックなオードトワレ
ミョウバンで恋愛運アップのデオドラント
料理に使われることが多いのですが、クローブには優れた薬効があり、中国では、紀元前から生薬としてみなされてきました。
クローブに含まれる成分に強い抗酸化作用や抗炎症作用、殺菌作用などがあることは科学的に実証されています。
クローブのつぼみと葉には精油が含まれ、つぼみから抽出した精油クローブバッドと、葉からの精油クローブリーフの2種類が存在します。
クローブの特徴
インドネシア諸島が原産で、アフリカ、インド、マダガスカル、ギアナ、西インド諸島、ザンジバルなどで栽培されています。
クローブは肥沃な土地に育つ、10mほどの高さに生長する樹木です。
楕円形の先のとがった葉が茂り、ピラミッドの形を作ります。花の色は白やピンクで、4枚の花びらをもちます。
つぼみのうちに花を収穫し、乾燥させると、スパイシーな香りが出てきます。
学名:Syzygium aromaticum L.
科名:フトモモ科
使用部位:つぼみ
開花時期:7月~9月
収穫時期:7月~10月
有効成分:
精油(オイゲノールなど)
フラボノイド
タンニン
没食子酸(もっしょくしさん)
サリチル酸
カフェ酸
フェルラ酸 など
※妊娠中・授乳中の使用に関しては注意が必要です。
クローブの肌と髪への美容効果
クローブは、ポリフェノールの一種であるフラボノイド、タンニン、没食子酸、カフェ酸など、抗酸化作用や抗炎症作用、抗菌作用の強い成分が豊富です。
精油の主成分であるオイゲノールは、抗酸化作用と殺菌作用に優れています。
こうした有効成分のおかげで、クローブは肌や髪、頭皮を健やかに保つのに役立ちます。
スキンケアにおいては、乾燥を防ぎ、老化を遅くし、くすみのない明るい肌にします。
毛穴の汚れを落とし、皮脂分泌を正常化する働きもあり、ニキビや吹き出物、皮膚炎を緩和するのを助けます。
また、切り傷やすり傷の治癒を促進することでも知られています。
ヘアケアにも適していて、クローブは髪と頭皮の汚れを落とし、髪を丈夫にします。
抜け毛やフケの対策にも有効です。
クローブの肌と髪への使い方
クローブは、つぼみのドライかパウダー、つぼみか葉の精油という形で使うことができます。
クローブのつぼみのドライとパウダーは、お茶として飲んだり、熱湯で煎じたインフュージョンや、オイルに漬けたインフューズドオイルを肌や髪につけたりして、使うことができます。
クローブのパウダーは、ガスールや他の材料と混ぜ合わせて使用できます。
スキンケア
クローブは次のような肌への効果が期待できます。
乾燥から肌を守ります
すり傷や切り傷の治療を促進します
たるみを引き締めます
コーヒーの引き締めボディのゴマージュ
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ヘアケア
クローブは次のような髪と頭皮への効果が期待できます。
パサつく髪をしっとりさせます
アルガンオイルとクローブのパック
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クローブの効能
クローブには抗酸化作用に優れ、食事に加えることで、生活習慣病を予防する効果が期待できます。
クローブには強力な殺菌力があり、特に口と歯の健康を守ってくれます。鎮痛作用もあり、歯痛を和らげます。
クローブの煎剤(インフュージョン)のうがいは、口内炎に有効で、口臭防止にも役立ちます。
また、腸の働きを正常にし、食欲不振や消化不良を改善する働きがあります。