モロッコの市場(スーク)で見つけた氷砂糖のような、岩塩のような塊。
「何に使うの?」の問いに、「止血作用があるから、髭剃り後に擦りつける」と店番の男性。
さらに、わきの下につけるジェスチャーをしながら、「デオドラントにもなる」と教えてくれました。
この「塩味の鉱物」はミョウバン石。
日本では、「焼きミョウバン」の粉末が食品として市販されていますね。
ミョウバンを熱して脱水し、吸湿性の高い軽い粉末にしたのが焼きミョウバンです。
ミョウバンは昔から止血剤や傷を治す薬として使われてきました。
発汗調整、消臭、殺菌といった作用でもよく知られています。
石に含まれるミネラルが膜となり、皮膚をやわらげる働きもあり、肌のピリピリするのを和らげるので、脱毛や髭剃りの後のお手入れにも最適です。
氷のようなミョウバン石の効用は、中世の時代から女性たちの間で知られていたそうです。
このミョウバン、アラブ世界では、魔女が悪運を追い払うときに用いる鉱物なのだそうです。
特に、悪い恋愛運を改善してくれるとか。
モロッコではゴロゴロとした石の状態で売っていて、これを少し湿らせて、脇の下や足に直接こすりつけてデオドラントにしま。
店の人の話によると、ミョウバン石を手の平にこすりつけ、さらに固形ムスクで香りをつけ、それをわきの下につけるそう。
ちなみに、10年ほど前、ラバトのスーク(市場)では、ミョウバンと固形ムスクのセットで10DH(約110円)でした。
モロッコやアルジェリアの女性たちは、ミョウバンを溶かしたり、粉末にして、香りを加えたオリジナル・デオドラントを作っているそうです。
ストレス解消効果もある安息香が人気の香りとのこと。
ミョウバンに、乾燥したミントの葉やクローブ、シナモンなどのハーブやスパイスを混ぜると、香りの発汗防止パウダーができあがります。
これらの材料はミキサーで細かいパウダーにし、それからシッカロールを加えます。
焼きミョウバンを水に溶かし、スパイスを加えてもOK。
クローブやシナモンはやる気を刺激してくれる効能も。
このデオドラントを使えば、元気な1日に過ごせそうですね!