リンゴに似た独特の香りのカモミールは、昔から民間療法で用いられていました。
古代エジプト人と古代ギリシャ人は、赤みや乾燥をケアするために、カモミールの花をつぶしてつけていたそうです。
カモミールには、ジャーマンカモミールやローマンカモミールなど数種類あります。
ハーブティーに向いているのはジャーマンカモミールです。
心身をリラックスさせるハーブとして知られるジャーマンカモミールは、世界各国で最も飲まれているハーブティーのひとつといわれ、アラブ地域の人々にもポピュラーです。
ローマンカモミールもジャーマンカモミールも花に精油を含み、抽出されてた精油は、アロマテラピーなどで用いられます。
ジャーマンカモミールの精油は、カズマレンという成分により、深い青色が特徴です。
ジャーマンカモミールの特徴
ジャーマンカモミールは、ヨーロッパ、北アフリカ、アジアが原産といわれ、現在では世界各地で栽培されています。
空地や道端に自然生息し、特に日当りのいい場所に育ちます。
ジャーマンカモミールは、50㎝ほどの高さになる一年草の植物です。茎は曲がりくねり、細い線状に切りこみが入った葉は密集して互生します。
花は円形で、中心は黄金色で、白い花びらをつけます。
学名:Matricaria chamomilla L.
科名:キク科
使用部位:花
開花時期:5月~9月中旬
収穫時期:開花中
有効成分:
精油(カマズレン)
セスキテルペンラクトン(マトリシン)
フラボノイド(アビゲニン)
クマリン
コリン
ジャーマンカモミールの肌と髪への美容効果
ジャーマンカモミールは昔から、皮膚トラブルを改善するハーブとして使われてきました。
長年の科学研究により、ジャーマンカモミールに含まれる成分に肌や髪を健やかに保つ効果があると実証されています。
ジャーマンカモミールは、抗酸化作用、抗炎症作用に優れ、肌の荒れを改善し、赤みや湿疹を鎮め、ニキビを減らし、紫外線などによるダメージを修復します。
ジャーマンカモミールに含まれるポリフェノールの一種のアピゲニンは、メラニンの産生を抑え、皮膚のターンオーバーを正常化するのを助けます。
また、収れん作用もあり、毛穴を引き締め、肌をなめらかにします。
スキンケアでは、特に乾燥肌やダメージ肌に適しています。
ジャーマンカモミールは、口内炎や目の炎症を緩和するのにも有効です。
ヘアケアにおいては、髪の乾燥を防ぎ、ツヤとうるおいをよみがえらせます。
フケを予防する効果も期待できます。
さらに、うっ血を除去する作用もあり、ジャーマンカモミールの足浴は、足のむくみを改善するのに役立ちます。
ジャーマンカモミールは、疲労やストレスの回復に適したハーブで、入浴剤としても向いています。
ジャーマンカモミールの肌と髪への使い方
ジャーマンカモミールは、花の部分の生かドライハーブ、精油という形で使うことができます。
ジャーマンカモミールの花の生かドライハーブは、ハーブティーとして飲んだり、熱湯で煎じたインフュージョンや、オイルに漬けたインフューズドオイルを肌や髪につけたりして、使うことができます。
ジャーマンカモミールのインフュージョン(浸剤)は、ニキビや皮膚の炎症、日焼けした部分を鎮める温湿布として使用できます。
スキンケア
ジャーマンカモミールは次のような肌への効果が期待できます。
乾燥肌や傷んだ肌を改善します
日焼けで傷んだ肌を改善します
目の下のたるみを解消します
むくみを取り除きます
ヘアケア
ジャーマンカモミールは次のような髪と頭皮への効果が期待できます。
乾燥した髪を改善します
ジャーマンカモミールの効能
ジャーマンカモミールは、胃腸の痙攣、消化不良などの胃腸の調子を整える働きもあります。
カモミールティーは、胃痛、はきけ、下痢を和らげるのに役立ちます。
穏やかな鎮静作用があり、頭痛や偏頭痛、神経痛に有効です。
殺菌作用にすぐれ、口内炎、歯痛、創傷などにも用いられます。
通経作用でも知られ、女性特有の月経痛などの症状を緩和する働きでも知られます。
月経周期を正常化し、月経痛を和らげ、月経前症候群の不快感を解消します。