お茶はアラブ地域の重要な文化。
昔から、ハーブやスパイスは医療や料理に使われ、いまでもさまざまなハーブを日常的に楽しんでいます。
日本に来たイラク人の女性は、カモミールティーを飲みながら、「これ、イラクでよく飲むのよ」と。
エジプト通の知り合いによると、エジプトでは体調が悪いとき、まずは家に常備しているハーブティーを試すそうです。
エジプトで特によく飲まれているのが、ヤンスーンのハーブティー。
ヤンスーンはセリ科のアニスのことで、その種子をお茶にします。
黄色のヤンスーン・ティーは、鎮静、駆風、解毒などの効果で知られ、腹痛、特に神経性の胃腸障害によく用いられるといいます。
頭痛、喘息や呼吸困難を和らげ、心身の強壮剤として知られ、万病薬として飲用されているそうです。
また、二日酔いにも効くそうですよ。
それから、エジプト人はハイビスカスティーが大好きで、かのクレオパトラのお気に入りだったとか。
ハイビスカスティーはクエン酸を含み、疲労回復の効果があるそうです。
エジプトでは、高血圧を抑える働きで知られているといいます。
エジプト産のハイビスカスティーは、肉体の奥深くまでしみこみそうな濃厚なルビー色。
甘酸っぱさが、渇いた心を快く刺激してくれます。
モロッコでもハーブティーはよく飲まれています。
写真は、ラバトの生活協同組合APIAで買ったハーブティー。
モロッコでポピュラーなのはルイーザ、フランス語でヴェルヴェンヌ、英語でバーベナと呼ばれるハーブです。
柑橘系の爽やかな香りと優しい甘さのハーブティーは、ホッとひと息、リラックスさせてくれるお茶です。
ハーブとはいえないのかもれませんが、モロッコでは、ローズウォーターやオレンジフラワーウォーターも、コーヒーなどの飲み物の香りづけとして使われます。
日本で一般的に販売されているローズウォーターやオレンジフラワーウォーターは、飲料用ではないので、絶対口に入れたりしないでくださいね。
ローズウォーターやオレンジフラワーウォーターを料理や飲み物に使う場合は、バラやビターオレンジの花のハーブティーで代用できそうです。
そこで、ローズウォーターとオレンジ花水を使ったホットドリンクをひとつご紹介します。
風邪を引いたときなど、喉がいがいがするときに効果的な飲み物です。
ここでは、ローズウォーターとオレンジ花水と書いていますが、ハーブティーで作りましょう。
喉の調子を整えるドリンク
このレシピの材料
ローズウォーター … 大さじ1
オレンジ花水 … 大さじ1
ラム酒 … 20ml
はちみつ … 大さじ1
レモン汁 … 大さじ1
作り方
鍋に、はちみつ、レモン汁、ローズウォーター、オレンジ花水、ラム酒を入れて、弱火で温めます。
温かいうちにどうぞ。