いちじくの効能と使い方|美容効果のあるハーブと植物

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いちじくは漢字で「無花果」と書き、”不老長寿の果物”といわれ、太古の昔から珍重されてきました。

いちじくの葉は、アダムとイブが裸を隠すのに使ったことでも知られています。

古代エジプトの壁画にブドウとともに描かれたり、旧約聖書に数多く登場する果物です。

いちじくは昔から薬用として栽培されていました。

いまではフルーツとして、生はもちろん、乾燥させたものもよく食べられています。

地中海沿岸諸国の人々に愛されているフルーツで、若さを保つために朝の空腹時に新鮮なイチジクを食べるのが習慣の地域もあるそうです。

いちじくの特徴

小アジア、アラビア半島南部、地中海沿岸が原産地といわれ、温暖な地域で栽培されています

イチジク生産の上位5か国は、トルコ、エジプト、モロッコ、アルジェリア、イランです。1位のトルコの生産量は年間約30万5,689トンで全体の約28%を占め、2位のエジプトは年間約17万7,135トン、3位のモロッコは年間約13万7,934トン、アルジェリアは年間約12万8,684トンです(FAOSTAT 2017年)。

いちじくは落葉性の低木で、新枝の葉腋に花嚢がつき、肥大化します。卵型の肉質の厚い壁に囲まれた花嚢の内面に、無数の花(小果)をつけます。果実につまっている赤いツブツブが花(小果)です。

学名:Ficus carica L.
科名:クワ科
使用部位:果実
開花時期:春
収穫時期:6月下旬~10月

有効成分
ビタミン(B群・C・E)
ミネラル(カルシウム、マグネシウム他)
アントシアニン
ペクチン 他

いちじくの肌と髪への美容効果

いちじくは、カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウムといったミネラル、そしてビタミンB・C・Eといった栄養がバランスよく含まれ、肌と髪のお手入れに適しています。

保湿効果が期待され、肌をなめらかに柔らかくするのに役立ちます。

いちじくに含まれるビタミンEやポリフェノールなどは抗酸化作用があり、老化の原因となる紫外線などから肌を守り、傷みを修復する働きがあるといわれています。

この抗酸化作用に加え、コラーゲンの再生能力を高める作用も報告されており、シワを軽減し、メラニン色素を抑制してシミやくすみを防ぎます。

また、いちじくの赤い果肉には、毛細血管の健康を強化することでしられるアントシアニンの含有量が多いことでも知られています。

さらに、いちじくはヘアケアにも向き、頭皮に潤いを与え、髪をサラサラにします。

育毛の促進する働きもあるといわれています。

いちじくの肌と髪への使い方

スキンケア

いちじくは次のような肌への効果が期待できます。

顔色を明るくします

いちじくのお手軽パック

いちじくをそのまま使うお手入れ法。顔色を明るくするパックです。

いちじくの果肉をミキサーにかけ、顔につけて15分そのままにし、洗い流すだけ。
十分熟したいちじくであれば、ミキサーにかけなくても、スプーンですりつぶすとなめらかになりますよ。

しわを改善します

いちじくとガスールのしわ対策パック

モロッコの粘土ガスールといちじっく酒を組み合わせた、しわを薄くするパックです。

電子書籍『モロッコ美容 1日使い切り手作りコスメ アルガンオイルとガスールの使い方』で。

ヘアケア

いちじくは次のような髪と頭皮への効果が期待できます。

傷んだ髪を修復します

傷んだ髪にいちじくと卵黄とローズウォーターのパック
モロッコで人気のフルーツ・いちじくを使ったパサパサ髪を改善するヘアパックの紹介です。保湿効果が高いイチジクと、傷んだ髪を修復する作用のある卵黄、乾燥を防ぐローズウォーターを混ぜたヘアパックは、パサパサ髪に潤いを与え、なめらかにする効果が。

いちじくの効能

いちじくには水溶性食物繊維のペクチンも多く含まれているため、腸内環境の改善にも期待できます。

いちじくに含まれるフィシンという酵素は、消化を促進する働きで知られています。

また、カリウムを含み、高血圧や動脈硬化などの予防に役立つといわれています。

いちじくの切断部から出てくる白い液体は、タンパク質分解酵素が含まれており、民間療法でイボを取り除くとして用いられています。

モロッコ美容のいちじく

モロッコではいちじくは欠かせない果物。

モロッコのいちじく生産量は世界の第3位を誇ります。トップ5はすべて中東の国で、1位はトルコ、2位はエジプト、4位はアルジェリア、5位はイランです(FAOSTAT 2017年)。

モロッコ美容にもいちじくは手作りコスメの材料として、よく登場します。

たとえば、モロッコ美容の基本のクレンジングと洗顔の説明には、こんな記述が。

アルガンオイルを加えた黒石けん(サボンノワール)で、顔を丁寧に洗います。
ネットを使うのもおすすめです。
お湯ですすぎ、ローズウォーターといちじくのエキスをスプレーします。
仕上げは、ローズウォーターやオレンジフラワーウォーターなど、保湿効果の高いローションをつけます。

ここに出てくる、「いちじくのエキス」はどういうものか不明ですが、海外のコスメにはいちじくエキスが使ったスキンケア製品などが複数あります。

いちじくを洗って、皮ごとつぶし、ガーゼなどで濾してエキスをとることもできます。

いちじく酒もスキンケアに

モロッコには、いちじくかデーツ(ナツメヤシ)から作った「la mahia」という蒸留酒があります。

このイチジク蒸留酒もスキンケアやヘアケアに利用するそうです。

「la mahia」は日本で入手が難しいのですが、いちじくをホワイトリカーでつけて作るいちじく酒で代用できます。

いちじく酒の作り方は、たとえばこちらを参考に。

<材料>
いちじく 8個ぐらい
ホワイトリカー 1リットル

<作り方>

  1. いちじくを水洗いし、キッチンペーパーなどで水気をよく拭きとります。
  2. そのまま容器に入れて、ホワイトリカーを注ぎます。
  3. 1か月、そのままにしておきます。

飲むのであれば、2~3ヶ月ぐらいからおいしくなります。さらに熟成させると、まろやかに。

ハーブやスパイスで心身を癒す手作り香水の作り方
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”モロッコ美容あれこれ”で紹介している手作り化粧品の材料となる植物の一覧表です。これらのハーブの効能・効果は伝統的な植物療法に基づいています。スキンケアやヘアケア、心身のケアに使われる植物は、昔から親しまれ、今でも受け継がれています。