ペパーミントの強く刺激的な香りは人気で、歯磨き粉やチューイングガムをはじめ、チョコレートやアイスクリーム、モヒートカクテルなど料理にもよく使われます。
ペパーミントの使用の歴史は古く、複数のピラミッドから乾燥したペパーミントの葉が発見されたことから、古代エジプト人がこのハーブを栽培していたことがわかっています。
古代ギリシャ人や古代ローマ人は、ソースやワインの香りづけにペパーミントを使っていたとの記録もあります。
また、古代ローマの女性たちは、口臭を爽やかにするために、生のペパーミントと蜂蜜を練り上げたものを食べたといいます。
ミントは昔から、胃のむかつき、消化不良を改善する鎮静ハーブとして知られていました。
イランの伝統医療において、ペパーミントは、熱さましの特性があり、胃の強化と消化不良の症状に効果的で、呼吸器官のトラブルと痔の治療に適しているとして用いられました。
モロッコでも、ペパーミントは日常生活に欠かせないハーブです。モロッコのスーク(市場)には、新鮮なペパーミントが山積みで売られています。
ペパーミントが主役のミントティーは、マグレブ(モロッコ、アルジェリア、チュニジア、リビアなど北アフリカ)の日常的な飲み物です。

ミントティーはおいしいだけでなく、ペパーミントに消化促進の働きや、心身を元気にする作用があることから、食後などに愛飲されています。
ペパーミントの特徴
ペパーミントの原産は謎に包まれていて、確かなことがわかっていません。現在では、北米、日本、フランスなど世界中で栽培され、特に地中海沿岸地域で多く栽培されています。
ペパーミントは、土の下にしがみつくように張った長い根茎をもつ、生命力の強い植物です。
茎は30~50㎝の高さで、ギザギザの切りこみが入った楕円形の濃い緑色の葉をつけ、紫がかった花をつけます。
学名:Mentha Piperita
科名:シソ科
使用部位:葉
開花時期:7月~8月
収穫時期:開花前
有効成分:
精油
メントール
フラボノイド(カテキン、クマリン他)
タンニン
ロスマリン酸
カフェ酸
アスコルビン酸(ビタミンC)
カロテノイド など
※ハーブで使う場合は特に禁忌はありませんが、ペパーミントの精油は刺激が強いため、使用の際は注意が必要です。
ペパーミントの肌と髪への美容効果
ペパーミントはそのフレッシュな香りから、歯磨き粉などの口腔衛生、髭剃り、入浴などの製品に多く使用されています。
魅力は香りだけでなく、強力な抗酸化作用を有するペパーミントは、美肌効果にも優れています。
抗酸化作用とは、紫外線やストレス、疲労などにより発生した活性酸素を取り除いたり、事前に防いだりする働き。
活性酸素の過剰な増加は、生活習慣病や、肌の老化、しみ、しわの原因になります。
ペパーミントの葉は、フラボノイドなどのポリフェノールや、アスコルビン酸(ビタミンC)、カロテノイドといった栄養素、チモールという化合物など抗酸化作用のある成分を多く含んでいます。
そのため、ペパーミントは、フリーラジカルから肌を守り、クリーンで若々しい肌を保つのに役立ちます。
また、古い角質を取り除き、毛穴の汚れを落とし、うるおいのある明るく健やかな肌にする働きもあります。
ペパーミントに含まれるロスマリン酸には、抗酸化作用と抗炎症作用があり、抗菌作用にも優れています。
ペパーミントには、ニキビの改善に有効なサリチル酸も豊富です。
皮膚だけでなく、髪や頭皮のケアにも適しています。
血行を促進する働きもあり、入浴剤としても用いられます。
ペパーミントの肌と髪への使い方
ペパーミントは、生かドライハーブ、精油という形で使うことができます。
ペパーミントの生かドライハーブは、ハーブティーとして飲んだり、熱湯で煎じたインフュージョンや、オイルに漬けたインフューズドオイルを肌や髪につけたりして、使うことができます。
ペパーミントのインフュージョン(浸剤)のローションは、肌の荒れを鎮め、なめらかにする働きがあります。ヘアリンスとしても利用できます。
ペパーミントの精油は、アロマテラピーで必須の精油ですが、刺激が強いため、肌あれや赤みを引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
スキンケア
ペパーミントは次のような肌への効果が期待できます。
オイリー肌を改善します
ベタつく肌にペパーミントのローション
オイリー肌向けミントとはちみつの氷マッサージ
むくみを軽減します
血行を促進します
ヘアケア
ペパーミントは次のような髪と頭皮への効果が期待できます。
ベタつく髪と頭皮を改善します
ペパーミントの効能
ペパーミントは、炭水化物、たんぱく質、カルシウム、鉄、亜鉛、ビタミンCといった栄養素を含むハーブです。
ペパーミントは昔から、消化を促進し、食べ過ぎや飲みすぎなどの胃痛や腸の不調を改善することが知られており、それらの効能は科学的に実証されています。
ペパーミントに含まれるメントールは、筋肉をリラックスさせ、痛みを軽減します。
メントールには去痰作用もあり、咳や気管支炎、鼻づまりといった症状にも有効です。
喘息の症状を軽減するロスマリン酸も、ペパーミントには含まれています。
ペパーミントには、精神的な疲労やストレスを解消し、心身をリフレッシュさせる働きがあります。
さらに、脳の働きを活性化し、集中力を高めてくれます。
頭痛を和らげる作用もあり、ペパーミントの汁を額とこめかみにつけるという簡単な方法もあるそうです。
吐き気や乗り物酔いの予防にも役立ちます。
生のペパーミントの葉を噛むのは、口腔衛生および歯痛、歯の健康のためによいとされています。
消化不良、風邪やインフルエンザには、ペパーミントティーを飲むのがおすすめです。ただ、不眠の原因になる可能性があるため、夜は避けたほうがいいでしょう。
