カレンデュラは、和名がキンセンカで、植物療法でよく知られている植物のひとつです。
ポットマリーゴールドとも呼ばれ、エディブルフラワー(食用花)として親しまれています。
カレンデュラは12世紀ごろから、軽度のやけど、傷、皮膚トラブルの治療に使われてきました。
カレンデュラの名は、ラテン語で「月の最初の日」を意味する「calends」が由来で、カレンダーと同じ語源だといわれています。
カレンデュラはまた、花が朝に開花し、夕方にしぼむため、「太陽のハーブ」ともいわれます。
カレンデュラの花びらのパウダーは、ブラウン系の黄色で、独特の香りがあり、少し苦く、サフランの代用にもなっています。
カレンデュラの特徴
カレンデュラは、中央ヨーロッパと地中海沿岸部、中東の国々、特にキプロス、トルコ、イランでよくみられる植物です。湿った日当りのいい場所に生息し、ヨーロッパの多くの国(ベルギー、オランダ、バルカン地方、フランスなど)やモロッコ、インド、中国で栽培されています。
カレンデュラは自然播種の一年草です。軟毛でおおわれた円筒形のまっすぐ丈夫な茎は、草丈60㎝ほどまで達します。大きな葉がまとまってつき、茎の先に、直径5~7㎝のオレンジ色の花を咲かせます。
学名:Calendula officinalis
科名:キク科
別名:キンセンカ
使用部位:花、根
開花時期:夏中
収穫時期:7月~8月
有効成分:
テルペノイド
フラボノイド(ケルセチン)
クマリン(ウンベリフェロン、エスクレチン)
フェノール類(コーヒー酸、バニリン酸)
カロチノイド(リコピン、βカロチン、ルテイン)
精油
カレンデュラの肌と髪への美容効果
カレンデュラは昔から、皮膚トラブルを緩和するハーブとして使われてきました。
抗酸化作用や創傷治癒作用、抗炎症作用などのある有効成分を含み、スキンケアやヘアケアに有効なハーブです。
カレンデュラは皮膚を修復してなめらかにするとされ、乾燥肌や傷んだ肌に特に向いています。
しみやニキビを改善する働きでも知られます。
カレンデュラに含まれるクマリンの一種、ウンベリフェロンは、抗酸化作用にすぐれ、皮膚保護成分として役立ち、特に日焼けから肌を守ります。
カレンデュラは、ドライヘアにもオイリーヘアにも適し、丈夫でつややかな髪を保つのに役立ちます。
特に、ブロンド髪に向いていて、美しい金髪を維持し、しなやかにします。
カレンデュラは、やけど、かゆみ、しもやけ、ひび割れを緩和します。魚の目やタコには、刻んだ茎の湿布が効くといわれています。
カレンデュラを植物油に漬けて作るインフューズドオイル。カレンデュラオイルは、炎症や傷のケアに用いられます。
カレンデュラは、毛細血管の透過性を抑制し、血管収縮を回復させるクマリンの一種のエスクレチンを含み、むくみを軽減する効果も期待できます。
カレンデュラの肌と髪への使い方
カレンデュラの花は、生かドライハーブ、精油という形で使うことができます。
カレンデュラの花の生かドライハーブは、ハーブティーとして飲んだり、熱湯で煎じたインフュージョンや、オイルに漬けたインフューズドオイル、アルコールに漬けたチンキを肌や髪につけたりして、使うことができます。
カレンデュラのインフュージョン(浸剤)は、化粧水やヘアリンスなど、日常のお手入れに使うことができます。
スキンケア
カサつく肌にうるおいを与えます。
オイリー肌を改善します。
ニキビを軽減します。
ヘアケア
ベタつく髪と頭皮を改善します。
バサつく髪にうるおいを与えます。
ヘルスケア
かすり傷やすり傷をケアします。
カレンデュラの効能
カレンデュラは、フラボノイドやカルチノイド、フェノール酸など、病気のリスクを減少させる有効成分を多く含んでいます。
抗炎症、抗酸化、創傷治癒、抗菌、抗真菌、肝臓保護、抗糖尿病、抗ガン、駆虫などの作用が認められています。