ヤロウ(セイヨウノコギリソウ)は古代から薬用植物として知られ、伝統医療では、消化不良、肝胆道のトラブル、炎症、糖尿病の治療に使われてきました。
属名「アキレア」は、ギリシャ神話のトロイア戦争の英雄「アキレス」に由来し、兵士たちの傷の治療に用いられたといわれています。
ヤロウは、プロゲステロン様の植物性ホルモンを分泌する植物で、更年期の症状を軽減するのに役立つともいわれています。
美容業界では、クリームやヘアケア製品に、多く使用されています。
ヤロウの特徴
ヤロウは砂地の乾燥した地域に育ちます。ヨーロッパや、中央および西アジア、北アフリカなど温暖な地域に生息しています。
芳香のある葉は毛でおおわれ、茎のトップにピンク色と白色の花が咲く、キク科の植物です。
学名:Achillea ligustica
科名:キク科
使用部位:葉と花
開花時期:6月~9月
収穫時期:開花中
有効成分:
フラボノイド(ルテオリン、アピゲニン)
フェノール酸(コーヒー酸)
テルペノイド
リグナン
アルカロイド
ヤロウの肌と髪への美容効果
ヤロウは抗酸化作用と抗炎症作用にすぐれ、肌と髪のトラブルを改善し、老化を遅らせ、細胞を若返らせて健やかにします。
皮膚や髪の毛細血管を強化し、血流を活発にする働きがあり、健康的な顔色をつくるとされます。
ヤロウは、ドライヘアにもオイリーヘアにも適し、髪と頭皮の状態を正常に保ちます。
血行促進作用により、長期的にお手入れすることで、静脈瘤やしもやけを軽減するのに役立ちます。
ヤロウの肌と髪への使い方
ヤロウの葉と花は、生かドライハーブ、精油という形で使うことができます。
ヤロウの生かドライハーブは、ハーブティーとして飲んだり、熱湯で煎じたインフュージョンやアルコールに漬けたチンキ、オイルに漬けたインフューズドオイルを肌や髪につけたりして、使うことができます。
スキンケア
ヤロウのインフュージョン(浸剤)は日常的なフェイスローションになり、皮膚の汚れを落とし、引き締める効果が期待できます。
ヘアケア
ヤロウのインフュージョンはヘアリンスになります。
頭皮の脂性湿疹を防ぎます。
フケを軽減します。
ヤロウの効能
ヤロウは、抗けいれん作用、消化促進作用、利尿作用があり、消化器官および膀胱のけいれんを鎮め、膀胱炎、尿漏れに有効です。
鎮痛や止血の作用で知られ、捻挫、筋違いなどを緩和します。
血行促進作用があり、血行のトラブル、むくみ、静脈瘤を改善し、筋肉炎、関節炎、リュウマチ関節症にも役立ちます。
抗酸化作用にすぐれ、高血圧、動脈硬化を防ぎます。
抗アレルギー作用もあり、花粉症にも適しているといわれます。
また、精神的トラブル、苛立ち、不安、神経症を軽減し、一般的な疲労を癒す働きがあります。
ヤロウは、プロゲステロン様の植物で、重い月経、出血過多、子宮の痙攣による生理痛などの月経トラブルや更年期障害の症状を軽減する作用もあるといわれています。