ネトルは和名をセイヨウイラクサと呼び、ビタミンやミネラルが豊富で栄養があり、スープなどの料理に使用されています。
ネトルが自生するネパールでは、カレーの具材にこの植物の葉を使うそうです。
ネトルは花、葉、茎、根、種子のすべてに有効成分を含み、2000年以上前から薬用植物として知られていました。
葉は関節炎、リュウマチ、アレルギー性鼻炎などに、根は排尿困難などに用いられてきました。
現在、ネトルのさまざまな効能が科学的に認められています。
女性の健康にとって有効なハーブで、月経前症候群や更年期の不快な症状などを緩和する働きがあります。
ネトルは、シャンプーや石けん、オイリー肌用のクリームやローション、爪ケア製品、歯茎を引き締める歯磨き粉などに使用されています。
ネトルの特徴
ユーラシア大陸が原産ですが、世界中の温暖な地域にどこでもみられ、ヨーロッパ、北アフリカ、アジア、北アメリカに多く生息します。
ネトルはイラクサ科の多年草で、日本ではセイヨウイラクサと呼ばれています。毛でおおわれた楕円形のギザギザの葉をもち、房になって黄色か緑色の花をつけます。花や葉は薬草として用いられてきました。
学名:Urtica dioica
科名:イラクサ科
使用部位:全草
開花時期:6月~9月
収穫時期:根と塊根は秋、草は4月~8月
有効成分:
フラボノイド(クエルセチン)
ビタミンA・C・K 他
ミネラル(カルシウム、鉄、カリウム、亜鉛)
タンニン
リグナン 他
ネトルの肌と髪への美容効果
ネトルは、フラボノイドやポリフェノール、ビタミンCといった抗酸化作用のある成分が豊富で、肌と髪の老化を遅らせ、健やかに保つのに役立ちます。
抗炎症作用にもすぐれ、肌の荒れを改善するハーブとして知られています。
抗菌作用や収れん作用もあり、毛穴の汚れを落とし、ニキビの発生を抑制し、皮膚を引き締めます。
皮脂分泌のバランスを調整する働きでも知られ、皮脂腺からの過剰な分泌物が原因でできる発疹も防いでくれます。
ネトルには髪を洗浄する働きがあり、抜け毛とフケを防ぎ、弱って傷ついた髪を丈夫にします。
ネトルの肌と髪への使い方
ネトルは、花の生かドライハーブを、ハーブティーとして飲んだり、熱湯で煎じたインフュージョンを肌や髪につけたりして、使うことができます。
スキンケア
オイリー肌を改善します。
ヘアケア
オイリーな頭皮のフケを改善します。
フケ対策のローズマリーとネトルのヘアリンス
ネトルとゴボウの脂性フケ対策ヘアローション
フケ予防にはネトルのマッサージ用ハーブチンキ
ネトルとタマネギのフケ対策マッサージオイル
オイリーな頭皮の抜け毛を軽減します。
ネトルの効能
ネトルは、抗炎症、抗酸化、抗菌、抗ウイルス、といったさまざまな薬効は、科学的に認められています。
血糖値の上昇を抑え、血圧を下げる働きがあり、心臓病を予防するのに役立ちます。
鎮痛、抗リュウマチ、抗関節症、抗関節炎作用でも知られます。
利尿効果も高く、尿酸を排出し、痛風を防ぎます。
ネトルは、老廃物の排出を促すデトックス作用と、血行を促進する血管収縮作用にすぐれています。リンパの流れもよくし、体内を洗浄し、血液と皮膚の疾患を防ぎます。
また、抗ヒスタミン作用があり、アレルギー反応や花粉症の症状を緩和するともいわれています。
鉄分の含有量が多く、鉄分の吸収を補助し、貧血、血液中の鉄分の不足を改善します。
ネトルは、骨を丈夫にする効果で知られています。鉄、カルシウム、マグネシウム、カリウム、亜鉛といった骨を作るミネラルが豊富なのに加えて、ビタミンも多く含み、特にビタミンKとミネラルが丈夫な骨を保つのに役立ちます。
ネトルは女性の健康に欠かせないハーブのひとつで、月経前症候群にみられる鼓脹やけいれんといった不快な症状を緩和し、月経中の出血を減らす働きもあります。
更年期中の女性ホルモンの変化を穏やかにし、症状を軽減するのにも役立ちます。
更年期はエストロゲンが減少して骨密度が低下するため、骨粗しょう症を防ぐのに有効なハーブともいわれています。
ネトルは、刺激強壮の働きがあり、無力症の改善に役立ちます。
栄養バランスのいいネトルは、快復期に適したハーブです。