トルメンティルは、タチキジムシロという和名の多年草で、下痢や口内炎、喉の痛みなどを治療する薬用植物として、昔から伝統医療に使われてきました。
トルメンティルには不思議なパワーがあり、家の中につるしておくと悪霊が寄りつくのを防ぎ、持ち歩くと恋愛のチャンスを引き寄せるといわれています。
トルメンティルは、スキンケア製品、歯磨き粉、口腔ケア製品に配合されています。
トルメンティルの特徴
ヨーロッパ全域、北アフリカ、西アジアからシベリアにかけて分布します。半分陰った湿気の多い場所に生息し、谷間や森でみかけます。
トルメンティルは、肉厚の根茎をもつ植物です。10~30センチほどの高さの細い茎が何本も伸び、葉は奇数羽状複葉で小葉が3枚つき、白っぽいうぶ毛でおおわれ、披針形の托葉があります。4枚の花弁の小さい黄色の花が先端で咲きます。
学名:Potentilla erecta
科名:バラ科
別名:タチキジムシロ、ポテンティラ
使用部位:根を含む全草
開花時期:6月~9月
収穫時期:花は開花中、根は秋
有効成分:
タンニン
フェノール酸配糖体
トリテルペノイド
トルメンティルの肌と髪への美容効果
トルメンティルは、抗酸化作用、抗炎症作用、収れん作用にすぐれ、肌と髪のケアに適しています。
止血や粘膜の炎症を鎮める治療に使われてきたトルメンティルは、皮膚の炎症を改善し、なめらかな肌にします。
トルメンティルのインフュージョン(浸剤)は、急な日焼けを鎮めたり、切り傷やすり傷、やけど、しもやけを改善したりするのに役立ちます。
ヘアケアにも適し、根元から弾力のある髪にするといわれています。
また、足のむくみや疲れを癒すのにも有効です。
根は赤色の染料になり、顔色を良くする化粧品に使われることもあります。
トルメンティルの肌と髪への使い方
トルメンティルの葉と根茎のドライハーブは、ハーブティーとして飲んだり、熱湯で煎じたインフュージョンやアルコールに漬けたチンキを肌や髪につけたりして、使うことができます。
根は長時間煮るとガム状になります。
トルメンティルのインフュージョンは、日常的な化粧水になります。
ボディケア
むくみを軽減します。
トルメンティルの効能
トルメンティルは全草に薬効がありますが、特に根茎はタンニンを多く含み、強力な収れん作用、抗感染作用があるとされます。
ハーブティーとして飲むことで、下痢、大腸炎、胃腸のトラブル、風邪の症状を軽減するのに役立ちます。
止血作用があり、切り傷やすり傷を癒着する働きがあり、やけどにも有効です。
トルメンティルのインフュージョンはうがいにも使え、口内炎、歯肉炎を抑え、歯茎を引き締めます。歯痛も和らげるといわれています。
このインフュージョンはまた、目の洗浄にも用いることができ、目の炎症を癒します。
※薬効は一般にいわれているものです。妊娠中・授乳中は、専門医に相談のうえ、使用しましょう。