和名でウスベニタチアオイと呼ばれるマシュマロウは、葉だけでなく根も、太古の昔からヨーロッパで医療に使われてきました。
学名のAlthaeaは、ギリシャ語の「Althaino」(治療)に由来しているといわれています。
アラブ人たちは、皮膚の炎症を鎮める湿布として、マシュマロウの葉を使用していたそうです。
マシュマロウは葉にも根にも、ムシレージ(mucilage)と呼ばれるペクチンなどの多糖を主成分とする粘性物質を含んでいます。
このムシレージは、粘膜を癒して守る働きがあり、呼吸器や消化器のトラブルを緩和するのに役立ち、スキンケアにも有効です。
マシュマロウの効能についての科学的証明は少ないのですが、粘膜の炎症を鎮める働きがあると報告されています。
マッシュマロウはリフレッシュ効果があるとされ、美容では、フェイスローション、パック、クリーム、石けんなどの入浴製品、日焼け関係製品、口腔衛生製品に配合されています。
マシュマロウの特徴
アジアと北アフリカが原産で、気候の適したヨーロッパ中に広がりました。塩分を含む土地の湿った場所、沼地、海岸部に野生で育ちます。
マシュマロウは、長い直根の植物です。長くまっすぐ伸びた茎は綿毛でおおわれ、1.5メートルほどに達します。
厚くうぶ毛がはえ、ハート形をした葉をもち、白かピンク色の花が上部の葉のわきに房になって咲きます。
学名:Althaea officinalis L.
科名:アオイ科
別名:ウスベニタチアオイ、ビロードアオイ
使用部位:葉、花、根
開花時期:6月~8月末
収穫時期:開花中
有効成分:
フラボノイド
ムシレージ(粘液質)
タンニン
クマリン
アミノ酸 など
マッシュマロウの肌と髪への美容効果
マッシュマロウは植物性粘液質ムシレージが豊富な植物です。そのため、昔からスキンケアに用いられてきました。
マシュマロウの葉と根は、乾燥、炎症や荒れ、かゆみ、虫刺され、傷、日焼けといったさまざまな皮膚トラブルを改善するのに役立ちます。
マシュマロウは肌にうるおいを与え、なめらかにするとされます。
さらに、マシュマロウは関節や筋肉のこわばり、かかとのひび割れなどを軽減する働きで知られ、うっ血除去の効果も期待できます。
マシュマロウの肌と髪への使い方
マシュマロウの葉と根は、乾燥させた形で使うことができます。
マシュマロウの葉のドライハーブは、ハーブティーとして飲んだり、熱湯で煎じたインフュージョンや、オイルに漬けたインフューズドオイルを肌や髪につけたりして、使うことができます。
根もまた、お茶にしたり、熱湯で煎じてインフュージョンにしたり、パウダーにして使ったりできます。
スキンケア
マシュマロウの葉のインフュージョン(浸剤)は、保湿効果が高く、化粧水として使用できます。
また、このインフュージョンは、日焼け後の肌のお手入れにも向いています。
ボディケア
足の疲れやむくみを癒します。
マシュマロウの効能
マーシュマロウは粘液質を含み、人間の粘膜の保護・修復に適しています。
咳やのどの痛み、気管支炎、口内炎、胃炎など消化器官の炎症、泌尿器の炎症などの症状を和らげる働きがあるといわれています。
マシュマロウのインフュージョンのうがいは、口内炎や歯の根元の露出を改善します。