イングリッシュアイビーは、日本ではツタで知られる植物です。
ギリシア神話の 豊穣とブドウ酒の神とされるディオニュソスは、アイビーの冠をかぶっていた姿で描かれ、古代ローマのディオニュソス崇拝により、アイビーは重要な役割を果たしてきました。
装飾や鑑賞植物としてよく知られるイングリッシュアイビーですが、その葉は薬用植物でもあり、化粧品にも使われます。
欧州医薬品庁のハーブ医薬品委員会(HMPC)は、イングリッシュアイビーの葉は、湿性の咳の去痰薬として使用できると結論づけています。
イングリッシュアイビーの特徴
ヨーロッパ、アジア、北アフリカでよく見られる植物で、寒冷地の日陰を好んで生息します。装飾用植物として栽培もされている。
イングリッシュアイビーは、20~30メートルの長さに達する細い茎が曲がりくねってはうように木の幹や壁面を登る、つる性の低木です。かなり固く丈夫で光沢がある葉は互生し、花の咲く枝につく葉は先がとがった円状で、花が咲かない枝につく葉は基本的に5裂(ときには3裂)という2つの形があります。緑かかった黄色の花は、5つの花弁をもつ星型で、房状にまとまって咲きます。
学名:Hedera helix L.
科名:ウコギ科
和名:セイヨウキヅタ
使用部位:葉
開花時期:9月~10月
収穫時期:6月~8月
有効成分:
トリテルペンサポニン
フラボノイド
タンニン
フェノール類
精油
イングリッシュアイビーの肌と髪への美容効果
イングリッシュアイビーの葉は、皮膚トラブルを緩和し、髪の乾燥やフケを防ぐ働きがあります。
ただし、イングリッシュアイビーに含まれるトリテルペンサポニンは、湿疹や炎症といったアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、感受性の高い人は特に注意が必要です。
イングリッシュアイビーの抽出液は、脂肪の分解を促す働きがあるといわれ、セルライトや過剰な皮下脂肪の軽減といった、痩身および引き締め用のクリームやジェルなどのコスメ製品に用いられています。
イングリッシュアイビーの葉の湿布は、セルライト、むくみやうっ血、バストのたるみを改善するのに役立ちます。
イングリッシュアイビーの肌と髪への使い方
イングリッシュアイビーは、葉のドライハーブという形で使うことができます。
イングリッシュアイビーの葉のドライハーブは、ハーブティーとして飲んだり、熱湯で煎じたインフュージョンや、アルコールに漬けたチンキを肌や髪につけたりして、使うことができます。
ボディケア
足のむくみやうっ血を軽減します。
セルライトの除去を促します。
イングリッシュアイビーの効能
イングリッシュアイビーは、抗炎症、関節炎の緩和、抗酸化作用などで知られています。
痰を吐き出すのに役立ち、去痰薬として使用されます。
また、イングリッシュアイビーを漬けたビネガー(酢)は、魚の目やタコの治療薬になるといわれています。