コリアンダーは、タイ語でパクチーと呼ばれ、日本でもよく知られたハーブです。
昔から料理だけでなく、薬用植物として伝統医療に用いられてきました。
コリアンダーは、さまざまな国でさまざまな治療に使われてきました。
サウジアラビア、ヨルダン、モロッコといった国では、コリアンダーは血糖値を下げ、食品中の細菌を抑える作用があると知られています。
トルコとインドでは伝統的に、不安や不眠を防ぎ、消化不良を解消するといわれています。
モロッコでは、糖尿病、消化不良、鼓脹、不眠、腎障害、食欲不振、便秘の治療に使われてきました。
数あるスパイスのなかでも、コリアンダーの種子は、古くから利用されてきたスパイスといえます。
モロッコでも大量に生産され、料理に広く用いられています。モロッコには、コリアンダーのはちみつもあります。
また、コリアンダーは幸福感をもたらすハーブといわれ、気分をリフレッシュする作用があります。
コリアンダーの特徴
中東および地中海沿岸が原産とみられ、中国、ヨーロッパ、インド、アフリカ、アジアへ広がったといわれていますが、正確な原産地は不明です。
現在では世界中で栽培されています。
コリアンダーは草丈が20㎝程度の一年草です。白い可憐な花が咲き、種子もスパイスとして用いられます。
コリアンダーは、根、葉、果実、種子のそれぞれに異なった有効成分を含んでいます。
学名:Coriandrum sativum L.
科名:セリ科
使用部位:全草
開花時期:5月~7月
収穫時期:開花中、種は開花後
有効成分:
フラボノイド
フェノール類
アルカノイド
タンニン
テルペノイド
精油 他
コリアンダーの美容効果
コリアンダーは抗酸化作用と抗炎症作用のある成分を豊富に含み、美容効果が期待できるハーブです。
老廃物を排出するデトックス作用があり、身体全体を浄化するとされます。
コリアンダーは、不安を軽減し、不眠症を改善して、心身をリラックスさせる働きでも知られています。元気を回復させ、精神的な疲れを癒し、美肌をよみがえらせるのに役立ちます。
コリアンダーのインフュージョン(浸剤)は、口内炎と目の充血を緩和させるのに有効です。
コリアンダーの効能
コリアンダーは、フラボノイドやフェノール類、アルカノイドなど、病気のリスクを減らす有効成分が多く含まれ、抗酸化作用、抗動脈硬化性作用、血圧降下作用、抗不整脈作用が認められています。
抗けいれん作用と抗不安作用があり、胃けいれん、消化不良、吐き気、便秘といった胃腸のトラブルを緩和します。
食欲を促進させ、特に、腸にたまったガスを駆除する働きがあります。
また、鎮痛作用があり、関節痛や筋肉の痛みを和らげます。
身体を温めるハーブとして知られ、風邪をひいたときなどに有効です。