キリスト誕生の際、東方からの3人の賢者が供物として持参したのは、アラブの高級香料の乳香と没薬、そしてもうひとつは黄金。
乳香や没薬は、黄金と同じぐらい価値の高い香りだったのです。

乳香(ニュウコウ):最高級の香りはシワ予防も
美容大国モロッコの手作りコスメの材料となる植物の紹介です。乳香は没薬とともに香りの最高級品。アラビア語は、ミルク(牛乳)の語根から派生した”ルバーン”で、ヨーグルトっぽい濃厚な香り。鎮痛作用があり、シワを目立たなくします。心をなごませる効果も。
没薬はカンラン科の樹木の樹脂で、燻した木とスパイスがまざったような印象的な香りです。
没薬のアラビア語は、「苦さ、辛さ」の意味を持つムッル。
古代エジプト人は没薬を中心とする香料を、死体の悪臭を消す清浄剤、また腐敗を防ぐ防腐剤として使用していたそうです。
また、没薬には、多くの効能があり、薬用として珍重されていたといいます。
エジプト人は没薬で軟膏を作っていました。特に、浸出性の湿疹に効果があったそうです。
止血効果があるためか、戦場に持参したともいわれています。
没薬の美容効果
没薬は、皮膚を保護して組織の変質を食い止める働きや、老化を遅くする作用などで知られ、スキンケアにも適しています。
没薬の効能
殺菌、抗炎症、瘢痕形成、通経、健胃、防腐など多くの効能があります。
さらに、没薬には気持ちを明るく高揚させる働きがあり、やる気を失って無気力なときに有効です。

ハーブやスパイスで心身を癒す手作り香水の作り方
美容大国モロッコの手作り化粧品のレシピ。香り文化を大切にするモロッコの手作り香水の紹介です。バラやメリッサ、ローズマリー、タイムなどのハーブのオードトワレは癒し効果も。クローブ、ナツメグ、シナモンなどスパイシーな香水は、意識を覚醒させる働きが。
没薬の特徴
没薬は、カンラン科の樹木です。芳香ゴム樹脂は、乳香よりも濃い黄褐色か赤褐色をしています。
原産と生息地
アラビア半島の西南部、イエメンのアデンとモカから奥地の限られた山岳地帯と、ソマリア北西部で育ちます。
学名:Commiphora myrrha
科名:カンラン科
使用部位:樹脂
別名:ミルラ
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