ホアハウンドの和名はニガハッカで、古くから薬用植物として用いられてきました。
属名の「Marrubium」は、「苦いジュース」を意味するヘブライ語の「marrob」に由来し、英語の「ホアハウンド」という名前は、綿毛のような植物を意味する古英語の「har」と「hune」からつけられました。
ホアハウンドは各地の民間医療で使われており、たとえば、チュニジアでは、血圧および血糖値を下げる薬、強心剤としても使用されていました。
世界中で共通する最も一般的な伝統医学の用途は、呼吸器と胃腸の疾患の治療です。
欧州医薬品庁のハーブ医薬品委員会（HMPC）も、風邪に伴う咳の去痰、膨満感や鼓腸などによる軽度の消化不良症状の緩和、一時的な食欲不振の改善にホアハウンドを使用できると結論づけています。
ホアハウンドの特徴
地中海沿岸から中央アジアにわたる地域に起源を持つといわれ、世界中に広がりました。現在はすべての大陸に生息しています。乾燥した石灰質の空き地などで育ち、家庭の庭でも栽培されています。
ホアハウンドは一年草または多年草で、丈夫な多数の長い根を持つ植物です。複数の綿毛状の茎がまっすぐ伸び、高さ20～100 cmまで達します。灰色がかった緑色の葉は丸みを帯びた卵型で、茎に対生してまとまって茂みをつくります。
白かピンク色の小さな花が、短い穂に渦巻き状に咲きます。開花中は、蜜を集めるミツバチが定期的に訪れます。球状で柔らかい実をつけます。
学名：Marrubium vulgare
別名：ニガハッカ
科名：シソ科
使用部位：葉と花
開花時期：6月～9月
収穫時期：7月～10月
有効成分：
フェノール類（マルビン、ケイ皮酸）
タンニン
フラボノイド（アピゲニン、ルテオリン）
ミネラル
精油
※通経を促して流産を誘発する恐れがあるため、妊娠中の摂取は控えください。
※12歳未満の子どもの使用は避け、成人であっても咳の症状が1週間以上続く場合、医療従事者に相談する必要があります。
ホアハウンドの肌と髪への美容効果
ホアハウンドは、抗炎症と収れん作用、創傷治癒作用にすぐれ、皮膚トラブルを緩和する働きがあります。
抗酸化作用でも知られ、老化を遅くし、シミ・ソバカスを軽減するといわれています。生のホアハウンドをつぶし、シミ・ソバカスの部分にパックする伝統的な方法もあるそうです。
血行促進作用もあり、頭皮を健やかな状態に戻し、抜け毛を軽減して丈夫な髪を育てるのに役立ちます。
また、割れた爪を改善するともいわれ、定期的なネイルケアに適しています。
ホアハウンドの肌と髪への使い方
ホアハウンドは、生かドライハーブで使うことができます。
ホアハウンドの生かドライハーブは、ハーブティーとして飲んだり、熱湯で煎じたインフュージョンや、オイルに漬けたインフューズドオイルを肌や髪につけたりして、使うことができます。
スキンケア
しみやそばかすを軽減します。
ホアハウンドの効能
ホアハウンドは、抗酸化、肝臓保護、胃腸保護、抗炎症、抗菌、抗ウイルス、鎮静など、多くの作用が科学的に認められています。
血圧を下げ、血糖値の上昇を抑え、糖尿病のリスクを軽減する働きでも知られています。
免疫機能を高める効果も期待できます。
また、創傷治癒と止血作用があり、傷の手当に有効です。
殺虫剤として使用することもできます。
ホアハウンドは苦味を持ち、それが刺激機能となり、胃液と胆汁の分泌を促し、食欲を増進させます。
