アグリモニーは、セイヨウキンミズヒキ(西洋金水引)という和名の多年草です。
昔から薬草として知られ、4~5世紀の書物にアグリモニーの薬効が記述されています。
アグリモニーは伝統医療で、下痢や口内粘膜の炎症などに利用されてきました。
小さな黄色い花は、甘い香りがします。
アグリモニーの特徴
ヨーロッパに広く分布する植物ですが、北アフリカでもよくみかけます。荒れた土地、溝のふちや廃墟のまわりといった、日当りのいい場所に生息します。
アグリモニーは40~100㎝ほどの草丈で、粗毛におおわれた円筒形のまっすぐな茎の植物です。葉は不整羽状奇数複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先端に1つの小葉がついて1枚の葉として構成される)で粗毛を密生しています。
茎の上部に細長い総状花序をだし、黄色の星型の小さな花をつけます。花弁と萼片はそれぞれ5枚です。結実すると萼が大きくなり、トゲのある直径7ミリ程の果実になります。
学名:Agrimonia eupatoria
科名:バラ科
別名:ヨウシュキンミズヒキ、セイヨウキンミズヒキ
使用部位:葉と花
開花時期:6月~8月
収穫時期:開花中
有効成分:
タンニン
フラボノイド
フェノール酸
トリテルペノイド
精油
アグリモニーの肌と髪への美容効果
アグリモニーは、抗炎症作用があり、慢性湿疹、化膿した傷、乾癬など、さまざまな皮膚トラブルの治療に使われてきました。
創傷治癒作用にすぐれ、皮膚の炎症を改善し、肌のダメージを修正する働きが期待できます。
抗菌作用と収れん作用があり、肌の汚れを落とし、毛穴を引き締める効果が期待できます。
肌の余分な水分や皮脂を排出するといわれ、オイリー肌やニキビ肌に適しています。
また、むくみを解消する作用でも知られています。
アグリモニーのインフュージョンを入浴剤として湯船に入れると、身体の器官が刺激され、疲労が解消されるといいます。
アグリモニーの肌と髪への使い方
アグリモニーは、茎、葉、花の部分の生かドライハーブで使うことができます。
アグリモニーの茎、葉、花のドライハーブは、ハーブティーとして飲んだり、熱湯で煎じたインフュージョンを肌や髪につけたりして、使うことができます。
インフュージョン(浸剤)はフェイスローションとして使うことができます
このインフュージョンにクレイやガスールを加えたパックでお手入れすると、皮膚がリフレッシュし、なめらかで弾力のある肌がよみがえります。
スキンケア
オイリー肌を改善します。
アグリモニーの効能
アグリモニーは、タンニン、フラボノイド、精油、苦味成分、ミネラル、ビタミンBとビタミンKを含みます。
アグリモニーの有効成分から、抗菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、抗酸化作用、抗血栓作用、血圧降下作用、利尿作用、抗糖尿病作用、肝臓保護作用、抗ガン作用があると認められています。
創傷治癒促進、鎮痛作用、止血作用が強力で、打撲や切り傷といった外傷、湿疹などの改善に役立ちます。
アグリモニーの葉を軽く蒸して布に包み、傷口に湿布すると、傷の治りが早まるといわれています。
この葉の湿布は、偏頭痛を緩和させるのにも向いています。
アグリモニーのハーブティーは、下痢、膀胱炎、尿路感染症、気管支炎に有効です。
口内炎、喉の痛みを改善するともいわれ、うがい剤に適しています。
※妊娠中・授乳中は、専門医に相談のうえ、使用しましょう。