ロータス(蓮)は世界で最も美しい花として、つねに崇められています。
アジアでは、清純、美、神聖さのシンボルであり、ヒンドゥー教の神話では、蓮の花から創造神が生まれたといわれています。
古代エジプトの墓地のなかに見られる多くの彫刻は、神聖な花”ロータス”を表現しています。
幻想的な蓮の花だけでなく、アジアの国では7000年以上前から、蓮の地下茎(れんこん)や茎が食用に使われ、葉や花、実も料理に用いられてきました。
日本でも、「れんこん」はおなじみの食材です。
ベトナムでは、蓮の花の香りを緑茶に移したり、乾燥させた葉や実をハーブティーにしたりするハス茶が飲まれています。
中国人は、体臭を取り除くために、蓮を食べるそうです。
食用としてでなく、蓮の茎と実、葉、そして花は伝統的な生薬として使用されてきました。
蓮は、下痢、感染、咳、高血圧、風邪といった症状を緩和すると信じられています。
現在、蓮に含まれる多くの有効成分と効能の可能性についての研究がつづけられ、蓮には、抗酸化作用や抗炎症作用があるという可能性が示されています。
抗酸化作用のある成分は、種と葉に最も集中してみられるそうです。
蓮は、葉や地下茎を乾燥させたもの、ハーブティー、パウダー、抽出エキスなどさまざまな使い方ができます。
蓮の特徴
蓮はアジアが原産といわれ、インドとベトナムの国花です。
世界各地、特にインドや東南アジアといったアジアで栽培され、公園の池などで観賞用の蓮をみることができます。
蓮は、ローム質の底に根をはり、水面に大きな葉を広げます。白やピンクの花は、朝に咲き、夜にしぼみます。
学名:Nelumbo nucifera L.
科名:ハス科
使用部位:全草
開花時期:7月~8月
収穫時期:7月~11月
有効成分:
フラボノイド(ケンフェロール など)
アルカノイド
カテキン
クロロゲン酸 など
蓮の肌と髪への美容効果
やさしく甘美な香りに、鎮静およびリラックスの効果があるといわれ、美容でも用いられます。
蓮は、ケンフェロールやケルセチンといったフラボノイド、カテキン、クロロゲン酸など、抗酸化成分が豊富です。
特に葉と種からの抽出したエキスは、抗酸化作用が期待されています。
抗酸化作用は、肌や髪の老化を遅くするなどのアンチエイジング効果があります。
また、蓮は抗炎症作用もある可能性が高いといいます。
蓮には殺菌の役割をする成分が含まれるため、実証はされていませんが、口の中の細菌などを消毒する働きがあるかもしれないとされています。
蓮の効能
蓮を食べたことによる人間への健康効果に関する研究は少ないのですが、蓮に含まれる抗酸化成分は、活性酸素によるストレスから起こる病気を予防する可能性があるそうです。
抗酸化作用のフラボノイドとアルカロイドを含み、特に、ガンやアルツハイマー病、肝臓病に効果があるのではないかといわれています。
また、蓮に含まれるケラチンやカテキンといった成分は、炎症を予防もしくは軽減するのに役立つという研究結果があります。
さらに、蓮の葉から抽出したエキスが血糖値を下げるのに役立つという動物実験もあります。
ただ、確実な実証はないため、摂取量や副反応についても正確には明らかになっていません。