天然の虫よけとして知られる除虫菊(じょちゅうぎく)を使って、蚊取り線香を手作りしてみませんか。
蚊取り線香作りは、意外と簡単。夏ならではのDIYを楽しんでみましょう。
除虫菊とは?
蚊取り線香の原料でもある除虫菊は、シロバナムシヨケギクという和名を持つ、キク科の多年草。
マーガレットに似た、白い花です。
殺虫成分のピレトリンを含むことから、日本では「除虫菊」の名で知られ、英語では「Pyrethrum」と呼ばれています。
原産国は東南ヨーロッパのバルカン地方といわれ、現在では、ケニア、タンザニア、エクアドルなど、世界各地で栽培されています。
この花は昔から虫よけとして使われていました。日本でおなじみの渦巻き蚊取り線香の原料も、以前は除虫菊だったのです。
第二次大戦後、ピレトリンに似た化合物が主流となったのですが、ここ数年、除虫菊の天然殺虫成分ビトリンが注目されています。
蚊だけでなく、ハエ、ノミ、蛾、アリなど多くの害虫を駆除する効果があるピレトリンは、1950年代に殺虫成分として登録されました。
ピレトリンは人間など哺乳類には毒性がなく、安心して使用することができます。ただ、水性動物(魚類)などには毒性が認められているので、注意しましょう。
除虫菊パウダーの作り方
ピレトリンは、除虫菊の花の子房に多く含まれます。そのままでは殺虫効果はないのですが、乾燥させて粉末にしたり、アルコールに漬けて抽出したりして、虫よけとして利用できます。
除虫菊パウダーは市販されていますが、ここでは、栽培した除虫菊の花からパウダーを作るところから紹介します。
ただ、ハンドメイドで除虫菊パウダーを作る際、ピレトリンは減少してしまうため、殺虫効果も落ちます。ですので、100%駆除できるというわけではないことを、お断りしておきます。
除虫菊は繁殖力が強く、毎年5月ぐらいになると、たくさんの花が咲きます。
花だけを摘み取り、陰干しをして乾燥させます。
数日おいて、からっからに乾燥させましょう。
乾燥したら、花をすりつぶします。
細かい粉末にしないと、よく燃えません。すり鉢やグラインダーを使って、できるだけ微粒にしましょう。
できあがった除虫菊パウダーは、密閉できるジッパー付きの保存袋や、しっかり密閉出来るタイプの容器に入れて冷暗所で保存します。
北海道で自生した除虫菊100%のパウダーを使った『蚊取り線香手作りキット』
除虫菊の粉末、タブ粉のセット(送料込 400円)です。
三角コーン型で約6個分。
作り方は簡単。おこもり時間に!
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※香料・着色料は一切使用しておりません
※蚊の完璧な駆除を目的とした製品ではありません
除虫菊の蚊取り線香の作り方
渦巻き状の蚊取り線香は難しいので、お香タイプを作ります。
用意するもの
除虫菊パウダー
除虫菊の花を乾燥させて、粉末にしたもの。
タブ粉
お香やお線香の主な原料で、タブの木の樹皮を粉末にしたものです。無香で粘着性が高く、これを水で練り、線香類の粘結剤として古くから利用されています。
水
除虫菊パウダーとタブ粉を練るときに、水を適量加えます。
ボウルやバットなど
除虫菊パウダーとタブ粉を入れて、練るときに使います。
クッキングペーパー
成形した後、数日間乾燥させるときに使います。
クリアファイルや厚紙
三角コーンの型にします。中古や不要となった品でかまいません。
【コーン型の作り方】
1.瓶のフタ(4㎝ぐらい)などを使って、クリアファイルや厚紙に◯を書きます。
2.ハサミで円を切り抜き、さらに中央で切り、半円にします。
3.半円を円錐型に丸めて、テープでとめます。できるだけ細めに巻いたほうが、乾燥や着火がしやすくなります。
お香の作り方
1. ボウルやバットに除虫菊パウダー(右)とタブ粉(左)を1:1の割合で入れ、よく混ぜ合わせます。除虫菊パウダーとタブ粉を10gずつにすると、8個のお香ができます。
2. よく混ざったら、真ん中に集め、ドーナツ状に穴をあけます。
3.真ん中に水を少量入れて、混ぜます。これを数回繰り返し、形を整えやすいくらいの柔らかさにまとめていきます。水は25ml前後で調節を。
4. 表面がなめらかになるまで、練ります。
5. これを8等分して、それぞれ丸めます。
6. 先を細くしてコーン型に入れ、形を整えます。
7. 型から取り出し、形を整えます。クッキングペーパーに並べ、数日間乾燥させます。