モロッコのウチワサボテンオイルは優れた美容効果で注目のオイルです。
ウチワサボテンの果実の種から採油された希少なオイルで、強力な抗酸化作用があり、エイジングケア効果が高いと評判です。
ウチワサボテン(学名:Opuntia Mill)はオプンティア、スペイン語でノパルと呼ばれる、中南米の熱帯地域が原産のサボテン科の植物です。
乾燥した気候によく適応するサボテンで、スペイン人が地中海地方にもたらし、またたく間に広がりました。16世紀ころに、アフリカ大陸にも輸入され、モロッコでもよくみられます。いまでは、中東のいたるところ、特にイスラエルで栽培されています。
ウチワサボテンは5メートルほどの高さまで育ちます。その名の通り、ウチワに似た形状の平たい大きな葉状茎を持ち、その葉状茎はトゲておおわれていますが、トゲのない種類もあります。
葉状茎はとても繊維が多く、そこに水をためることにより、暑さと乾燥をしのぎます。
茎の縁に、黄色、ピンク、紫など種類によりいろいろな色の花をつけます。
実の色もオレンジや紫で、いちじくの形に似ていることから、フランス語でバーバリー・イチジク(野生イチジク)と呼ばれています。
ウチワサボテンは、地面の湿気を効果的に排出し、大気汚染を除去する働きもあるそうです。
ウチワサボテンオイルの美容効果
ウチワサボテンオイルは、果実の中の小さな種から抽出します。
果実は年に1回しか採取できず、その種に含まれる油分はたったの5%ほどで、1リットルのオイルを抽出するのに約8トン(約100万個)の種子が必要です。
しかも、手作業の工程も含まれるため、オイルができあがるまでには相当の時間がかかります。
ウチワサボテンオイルが高価なのは、とても貴重なオイルだからなのです。
ウチワサボテンオイルは、ベタつかず、スキンケアに最適です。
このオイルの一番の特徴は、抗酸化作用に優れたビタミンEと植物性ステロールを含んでいることです。
脂肪酸の割合は栽培地や抽出した年によって変わってきますが、必須脂肪酸のリノール酸(オメガ6脂肪酸)、オレイン酸(オメガ9脂肪酸)、飽和脂肪酸のパルミチン酸を含みます。
リノール酸は肌の水分を保つ働きで知られ、特にオメガ6脂肪酸は、乾燥を防ぎ、傷んだ肌を修復し、うるおいのあるなめらかな肌にしてくれます。
また、オレイン酸(オメガ9脂肪酸)は、弾力とハリのある肌を作ります。
その他さまざまな成分の効果で、ウチワサボテンオイルは、シワやたるみを防ぎ、肌の老化を遅らせるエイジングケアに理想的なオイルといえます。
ウチワサボテンオイルの効能をまとめると、次のようになります。
保湿力
乾燥防止
傷んだ肌の修復
シワやたるみの防止
疲れ肌を癒すウチワサボテンオイルのフェイスケア
どのタイプの肌にも適した、疲れた肌を癒すお手入れも。
用意するのは、黒石けん、ウチワサボテンサボテンオイル、はちみつ。
黒石けんはなかなか手に入らないので、アレッポ石けんなど、オリーブの石けんで代用しましょう。
このお手入れを週1回、3か月つづけると、くすみが消え、明るい透明感のある肌がよみがえるそうですよ。
はちみつのパックにも、キズや炎症などを癒し、シワを目立たなくして、弾力性のある元気な肌にする働きがあります。
まず、クレンジングでメイクを落とし、顔をお湯で湿らせ、黒石けんをつけます。
円を描くように顔と首をマッサージし、2分ほどパックし、ぬるま湯で流します。
ウチワサボテンオイルを顔と首、デコルテにつけ、血液とリンパの流れを促進させるようにやさしくマッサージします。
さらに、はちみつを顔と首、デコルテにつけて、5分パックします。
お湯ですすいだ後は、ウチワサボテンオイルをうすくぬります。
ウチワサボテンの栄養と効能
ウチワサボテンはとても栄養豊かでエネルギー補給になり、果実をフルーツとして、茎を野菜として用いるなど、中央アメリカの伝統料理に使われています。
甘くジューシーな果実は、そのまま食べたり、マーマレードやアルコール飲料として親しまれています。メキシコには発酵サボテンジュース「Colonche」なども存在します。
その昔、現在のメキシコの中央部に栄えたアステカの人々たちの間では、ウチワサボテンの薬効がよく知られていました。
血糖値を下げると信じられ、糖尿病の治療薬にしていたといいます。ウチワサボテンの果実は下痢止めとしてよく使われ、また、軟膏や湿布にしてリューマチに、液汁をそのままつけてやけどや傷を治すのに用いられていました。
現代医学でも、ウチワサボテンには数多くの薬効があることが証明されています。
なかでも、ダイエットや肥満予防する効果に関心が高まっています。
黄色い葉状茎は、ビタミンやミネラルの他、リグナン、セルローズ、ヘミセルロースといったさまざまな不溶性食物繊維が豊富で、満腹感を与えます。また、ウチワサボテンの大部分を占める液汁や葉肉には、糖分と脂肪分をからめとり、脂肪を燃えやすくする働きがあります。
また、フラボノイドのなかでも活性酸素を取り除く働きが活発なケルセチンも豊富で、優れた抗酸化作用があります。
さらに、抗潰瘍作用、抗炎症作用、鎮痙作用があり、胃潰瘍および胃腸のトラブルを防ぐといわれています。
アルコール中毒の治療にも効果があるとの研究も実証されたそうです。
中性脂肪と悪玉コレステロールに関する研究も進行中とのこと。
ウチワサボテンの果実にはビタミンCが多く、銅、マグネシウム、カルシウム、鉄分、17のアミノ酸、ビタミンA・B1・B3も含んでいます。
この果実には利尿作用もあります。
モロッコなど北アフリカにはウチワサボテンのビネガーがあり、この少し甘い酢は、脂肪を燃やしやすくし、ダイエット効果があるといわれています。モロッコの女性たちは、この酢でマッサージをするそうです。
ウチワサボテン酢は、髪についた埃や大気汚染を落とし、輝きとツヤをよみがえらせるといわれ、ヘアケアにも利用されます。