マスクの着用が日常化するなか、それが原因とみられる、ニキビなどの肌のトラブルに悩む人が増えています。
マスクによって起こる肌のトラブルの改善や予防に役立つ対処法のひとつが、ハーブを使った適切なスキンケア。
そこで、ハーブや天然素材を活用した、自宅でできるスキンケアを紹介します。
マスク生活で増えている肌荒れ
コロナ禍の発生から1年半。マスク生活がつづくなか、「マスクによる肌荒れ」が増加しています。
夏の肌荒れに関する調査(エーザイ株式会社コンシューマーhhc事業部が20代~50代女性1,128名を対象に実施)によれば、今年(2021年)の夏にもっとも肌荒れケアをしたい部位は「顔(マスク部位)」が52.1%でした。
また、コロナ禍における肌荒れ事情についてのアンケート(ASERAクリニックが2021年8月23日に20代〜50代の女性210名を対象に実施)では、95.2%の女性が「日々のマスク着用によりストレスを感じることがある」と答え、そのうち、「肌荒れ・ニキビ」が100人、「肌の蒸れ」が108人、「肌の乾燥」が37人という結果になりました。
マスクによる肌のトラブルは、日本人だけでなく、海外でも話題になっています。
アメリカでは2020年春ごろから、マスクとニキビ(アクネ)を組み合わせた「マスクネ」という英語の造語が使われはじめました。(1)
マスクネは、マスクの着用で生じるニキビや吹き出物といった肌トラブル。
マスクをつけることで生じる吹き出物や赤み、炎症「マスクネ」は、いまや医療用語にもなっています。(2)
マスクによって起きる肌トラブル
ニキビ
マスクを着用することによって、「マスクネ」、いわゆるニキビができやすくなります。マスクの着脱やズレの調整などのたびに、繊維と肌がこすれ合います。その摩擦で角質層が傷ついて肌のバリア機能を低下すると、外部刺激を受けやすくなり、ニキビができやすくなります。
また、マスクにおおわれると、皮膚の温度が上がり、呼気や会話、発汗で湿度も高まり、雑菌が増殖しやすい状態であることも、ニキビを起こしやすくなる原因のひとつです。マスクの中が高温多湿になると、毛穴が詰まり、ニキビや吹き出物ができやすくなります。
マスク着用による肌のトラブルは、ニキビ以外にも、アレルギー反応、赤み、湿疹、毛包炎(毛嚢炎)なども含みます。
乾燥
マスクの中は湿度が高く、しっとりしているようですが、乾燥もマスクによる肌のトラブルにあげられます。肌の乾燥と密接な関係にあるのが、表皮のいちばん表面にある角質層です。マスクの摩擦などにより角質層が傷つくと、肌の水分を保ち蒸散を防ぐバリア機能が低下し、うるおいのないカサカサした乾燥肌になってしまいます。
かゆみ
マスク着用によって生じるかゆみも、肌のバリア機能の低下による乾燥が原因のひとつです。バリア機能が弱まると肌が敏感になり、ちょっとした刺激でかゆみや赤みを引き起こしてしまいます。
マスクによる肌トラベルの対策法
肌トラブルを防ぐには、毎日の丁寧なスキンケアが大切です。
スキンケアの基本は、「洗顔」と「保湿」。
刺激の少ない天然素材の手作りコスメでのスキンケアも、マスクの着用で起きる肌トラベルを改善するのに役立ちます。
洗顔で毛穴の汚れを落とす
刺激の少ない洗顔料やクレンジングを使い、皮脂や汚れをしっかり取り除きます。
クレンジングも手近な材料で手作りできます。牛乳、ヨーグルト、はちみつ、米ぬかは、クレンジングの原料に適しています。
牛乳のクレンジングで毛穴汚れすっきり
牛乳やヨーグルトを使った手作りクレンジングは、濃いメイクを落とすのには向きませんが、毛穴の汚れや過剰な皮脂分泌を取り除き、なめらかな肌をよみがえらせる効果が期待されます。
牛乳とはちみつの拭き取りローション
保湿効果もあり、敏感肌の人におすすめのクレンジングローションです。

ヨーグルトのクレンジング
マイルドなピーリング作用があるヨーグルト、保湿効果が高いローズウォーター、肌のバリア機能を高めるスイートアーモンドオイルのクレンジング。

スキムミルクのクレンジングローション
スキムミルクと、洗浄効果にすぐれたラベンダーで作るローションは、ベタつきがちな肌にも向くクレンジングです。

米ぬかクレンジングローション
肌を守るバリア機能と保湿作用で知られる米ぬかのクレンジングローションです。

しっかり保湿して皮膚のバリア機能を強化
皮膚のバリア機能をしっかり働かせるために、肌にたっぷり水分補給し、乾燥を防ぎます。
乾燥を防ぐハーブの手作りローション&パック
保湿効果が高いハーブのローションと、アルガンオイル、ガスール、卵黄や牛乳といった食材を使ったパックで、たっぷり水分を補給し、栄養を与えて、しっとり潤い肌をキープしましょう。
アルガンオイルとローズウォーターの保湿ローション
保湿効果が高いアルガンオイルとローズウォーターのダブルの力で、うるおいのある肌を保ちます。
オオバコとカレンデュラのローション
保湿作用にすぐれセイヨウオオバコとカレンデュラのインフュージョン(浸剤)は、乾燥肌をしっとりさせる効果が期待できます。

ニキビを減らすスキンケアは?
マスクを着用によるニキビ(マスクネ)は、オイリー肌といった肌質とは関係なく、できてしまいます。
ハーブのなかには、ニキビの悩みを軽減する種類があり、スキンケアに取り入れることができます。
バジル:抗感染と殺菌作用がすぐれ、ニキビを解消するといわれています。
ゴボウ:皮脂の分泌を正常化する働きでも知られ、オイリー肌やニキビに。
亜麻(フラックスシード):オイリー肌やニキビ肌にも向いています。
ターメリック:抗感染作用と抗炎症作用で知られ、ニキビ肌に向いています。
ラベンダー:毛穴の汚れを落とす働きがあり、オイリー肌やニキビ肌に向きます。
ラズベリーリーフ:ニキビに効果的といわれています。
ローズマリー:ニキビや赤い吹き出物を治す働きがあるといわれています。
ローリエ:オイリー肌に向き、ニキビを軽減するといわれています。
ジャーマンカモミール:ニキビや皮膚の炎症を鎮めるといわれています。
ナツメグ:殺菌力と収れん作用にすぐれ、毛穴を引き締め、ニキビを軽減します。
カレンデシュラ:ニキビに効くといわれています。
ニキビ対策の手作りコスメ
ニキビや吹き出物を予防する、ハーブを使ったスキンケアを紹介します。
毛穴ケアにローズマリーのローション
ローズマリーは、洗浄効果にすぐれ、保湿作用もあり、しっとり潤いのある肌を作る効果が期待できます。

ニキビの悩みはガスールパックの保湿で解消
モロッコの粘土(クレイ)ガスールは洗浄効果が高く、ニキビの改善に向いています。
殺菌作用のゴボウのローション
ゴボウは殺菌作用もあり、ニキビを軽減する効果が期待できます。
肌のベタつきを抑えるフラックスシードのパック
亜麻の種子は、皮脂と水分の量を調整する作用があります。

電子書籍『モロッコ美容 1日使い切り手作りコスメ』でも紹介
毛穴ケアとニキビにバジルのガスールのパック
ナツメグの洗浄ガスールパック