ヒソップは和名ではヤナギハッカと呼ばれ、ミントに似た強くさわやかな香りを持つハーブです。
「ヒソップ(Hyssop)」という名前は、どちらも「聖なるハーブ」を意味するギリシャ語の「hussopos」とヘブライ語の「ezob」に由来しており、古代より神聖な植物として大切にされてきました。
ヒソップは新約聖書に登場し、「イエスが亡くなる直前、酢とワインを浸したスポンジのついたヒソップの枝が与えられた」との記述がありますが、このヒソップは、別の植物だと結論づけられています。
何世紀にもわたってヒソップは、駆風、強壮、防腐、去痰、咳止めの薬になる薬用植物として知られてきました。
古代ギリシャの医師ヒポクラテスは、ヒソップを気管支炎と胸膜炎の治療に使いました。
17~18世紀には、ヒソップの花のインフュージョン(浸剤)やチンキ(アルコール漬け)が発汗を抑え、黄疸や水腫を緩和するために用いられていました。
清涼感のあるスパイシーな香りで、苦味のあるヒソップの葉と花は、サラダやパスタ、スープ、シチューなどの料理に使われます。
古代ローマ人はヒソップでハーブワインを作ったといわれ、現在でも、ハーブリキュールのアブサンやベネディクティン、シャルトリューズなどの酒類に加えられています。
ヒソップの精油は、アロマテラピーでの活用はもちろん、香水やオーデコロン、石鹸、入浴剤、化粧品などの成分として配合されてています。
ヒソップの特徴
地中海沿岸の南ヨーロッパと西アジア原産といわれていますが、ヨーロッパ全域や北米などでもみられる野生の植物です。モロッコでも一部の地域で自生息しています。日当りがよく、比較的乾燥した地域に育ちます。
ヒソップは芳香性の多年草です。茎は直立または横臥し、高さ50cmに達することもあります。光沢のある濃い緑色の槍形の葉は対生し、茎のまわりにロゼット状に広がります。美しい濃い青色の花は小さな花束のように4~10 個まとまって、長さ20~25cmの穂状につけます。
学名:Hyssopus officinalis L.
科名:シソ科
和名:ヤナギハッカ
使用部位:花
開花時期:6月~9月初旬
収穫時期:開花中
有効成分:
フラボノイド(ケルセチン、アピゲニン)
フェノール類(クロロゲン酸、プロトカテク酸)
ウルソール酸
精油
※乳幼児、妊婦、授乳中の産婦、高血圧の人、てんかん患者、高齢者の使用は避けてください。
ヒソップの肌と髪への美容効果
ヒソップは、抗菌作用があり、皮膚の汚れを除去し、清潔に保つ働きがあります。
創傷治癒作用でも知られ、皮膚の傷や荒れを緩和します。
また、血行を促進があり、足のむくみを軽減するのに役立ちます。
ヒソップの肌と髪への使い方
ヒソップは、花の部分の生かドライハーブ、精油という形で使うことができます。
ヒソップの花の生かドライハーブは、ハーブティーとして飲んだり、熱湯で煎じたインフュージョンや、オイルに漬けたインフューズドオイルを肌や髪につけたりして、使うことができます。
ボディケア
血行を促進して足のむくみを軽減します。、
ヘルスケア
打撲や傷を緩和します。
ヒソップの効能
ヒソップは、抗菌、抗ウイルス、抗酸化といった作用が認められています。
気管支炎、胸膜炎、喘息、喉の痛み、リュウマチを緩和するのに役立ちます。
血液循環を改善する働きもあり、血圧を下げ、うっ血を軽減します。