ブドウは世界中でおなじみのフルーツ。
ブドウ栽培の歴史は古く、紀元前8000年頃の遺跡から果実類として発見されています。”ブドウ”という言葉が用いられた最古の記録は、メソポタミア文明の楔文字によるものです。
その後、古代エジプトにワインの製法が伝えられ、フェニキア人がカルタゴにてブドウ栽培を発展させ、紀元前1300頃に古代ギリシャ、そして古代ローマへと広がっていきました。
モロッコでは、生はもちろんですが、ドライレーズンがエネルギー補給に適し、ハマムの後に理想的としてよく食べられています。
ドライレーズンは、生のレーズンの4倍以上のカロリーがあり、その6割が直接器官に吸収されるといわれています。
ブドウの美容効果
ブドウの果実と種に含まれるアントシアニンやカテキンといったポリフェノールは、強力な抗酸化作用があることで知られています。
また、ブドウに含まれるレスベラトロールは、肌のハリと弾力を取り戻し、若さを保つ作用があるといわれています。
ブドウのエキスは、老化を遅くし、コラーゲンの生産を刺激する効果が期待できます。
ブドウの種から抽出されたグレープシードオイルも、オメガ6系のリノール酸が多く、ビタミンEも含まれ、強力な抗酸化作用があるといわれています。
さらっとしたオイルで、スキンケアに適しています。
このグレープシードオイルは、静脈のうっ血を取り除き、疲れた足を癒す働きもあり、マッサージオイルとしても向いています。
ブドウの樹液は、くすみのないなめらかな肌にするといわれています。

”ブドウの涙”と呼ばれるこの貴重なしずくは、根毛に栄養を与える効果でも知られ、モロッコの先住民族ベルベルの女性たちは、ブドウの樹液をヘアケアに使うそうです。
美しく豊かな髪になることを願って、春に切り取られた新鮮なブドウの若枝からにじみ出る樹液で髪を洗うといいます。
ブドウの効能
ブドウに含まれるブドウ糖は体内で時間をかけずにそのままエネルギーとなるため、疲労回復の効果が大きいといえます。また、ブドウ糖は脳の栄養源となり、頭の働きを活発にし、集中力を高めるのに役立ちます。
ブドウには、ビタミンBといったビタミン、マグネシウムなどのミネラルも豊富で、身体のバランスを整えてくれます。
さらに、ポリフェノールが多く含まれ、そのひとつアントシアニンは眼精疲労や視力改善といった作用が報告されています。
ブドウの特徴
ブドウはつる性の落葉低木です。巻きひげがあり、種によって違いますが、連続または断続的に葉と対生します。葉は15~20センチほどの大きさで、両側に切れ込みがあります。5~6月に、5枚ほどで緑色の花弁の穂状の花をつけます。果実は液果で房状につき、果皮の色は黄緑、紅赤、濃紫と変化に富んでいます。
原産と生息地
ブドウ属の植物は数十種あり、コーカサス地方やカスピ海沿岸が原産といわれ、中央アジア、東アジア、北アメリカに多く分布し、インド、中東、アフリカ、そして日本にもヤマブドウなどの野生種があります。現在では世界中で栽培されています。栽培種で重要なのはヨーロッパ系とアメリカ系で、ヨーロッパ系は中央アジア起源といわれています。
学名:Vitis spp
科名:ブドウ科
使用部位:葉、果実、種
開花時期:5~6月
収穫時期:7~10月
